
©NHK
放送 毎週日曜 総合テレビ 午後8時より
BSプレミアム 午後6時より
再放送 毎週土曜 総合テレビ 午後1時5分より
毎回一話ずつあらすじ、詳細情報、ひとこと(感想)を書いてますので、よかったら読んでいってください。
徳政令をだして借金を棒引きしてほしい瀬戸・祝田の百姓たちは、今川に直訴した。それを阻止するために直虎らは百姓たちの土地を神社に寄進することにした。
政次は、直虎の動きを封じるために蜂前神社の禰宜を使って百姓たちを扇動して百姓たちを別の場所に集めて耕作を放棄する行動に出る。
瀬戸村に向かった直虎は百姓たちと話すことも出来ず途方にくれる。
ちょうど田植えの時期だった。このまま耕作を放棄すれば、稲が伸び切ってだめになってしまう。そのことに気づいた直虎は、他の村の百姓や僧侶に頼んで自ら瀬戸村の田植えを始める。
そして田畑のことが心配になり、見にやってきた瀬戸村の百姓たちと鉢合わせに。
直虎は、現状と正直な気持ちを百姓たちに話した。徳政令はだせないこと、方久に村の所有すれば村を潤すことになるということを自分の言葉で伝えたのだ。
百姓たちは心を動かされ、そして村に戻ってきた。
ただ、今川からは徳政令を出せとの下知がきていたのでこれを破ることになってしまった。
詳細情報
ネタバレを含みます。
まだ詳細を知りたくない方は読まない方がよいでしょう。
おもな出演者
井伊 直虎 主人公(次郎法師) 柴咲コウ
瀬戸 方久 瀬田村の商人 ムロツヨシ
小野 但馬守 政次 井伊家重臣 高橋一生
しの 故井伊直親の妻 貫地谷しほり
なつ 故小野玄蕃の妻 山口紗弥加
奥山 六左衛門 井伊家家臣 田中未央
中野 直之 井伊家家臣 矢本悠馬
南渓和尚 龍潭寺の住職 小林薫
昊天 龍潭寺の僧 小林和重
傑山 龍潭寺の僧 市原隼人
甚兵衛 瀬田村の百姓 山本學
八助 瀬田村の百姓 山中祟
角太郎 瀬田村の百姓 前原滉
富介 祝田村の百姓 木本武宏(TKO)
福蔵 祝田村の百姓 木下隆行(TKO)
祐椿尼 直虎の母 財前直見
あやめ 故新野左馬助の長女 光浦靖子
寿桂尼 故今川義元の母 浅丘ルリ子
第15話 2017年4月16日放送
今川からのお沙汰がでた。
政次「後見、瀬戸・祝田の徳政、再々にわたり命に従わぬ理由について、駿府まで直虎様が申し開きに 来るようにとの仰せにございます。
行けばどのようなことが待っておるのかは、重々お分かりのことと存じます。
駿府へ行かずとも 済む手だては、ただーつー私を、虎松様の後見になさることにございます。
さすれば、あとのことは私が万事取り計らいましょう」
直虎「……では、申し開きに参るしかなかろうの」
政次「分かりました。では、お供いたしますゆえ、出立の日などをのちほどお教えください。」
政次は帰っていった。
井伊の館を出た政次は、その足でしのに会いにやって来た。
“虎松の生母は直虎の後見を望んでおらぬ”と一筆頂書いてもらうために。
一方、直虎はその翌日、南渓に駿府行きを相談するため龍漂寺を訪れた。
南渓「直虎。わしゃの、一つ、必ず生き残れる策を思いついたのじゃ」
直虎「なんにございましょう」
南渓「もうだめだと思うたら、政次に後見を譲る、と言うて帰ってしまうのじゃ。何事も、命あっての物種じゃ」
その言葉を聞いた瞬間、ふっと肩の力が抜けた。
直虎「……はい。胸に刻んでおきまする」
館に戻ってみると、直之が待ち構えていた。
傍らには六左衛門がうなだれている。
直虎「直之、戻ってきてくれたのか」
直之「すぐに後見を降り、駿府の言うことをお聞きなされー!」
直虎「……嫌じや」
直之「直親様のご最期をお忘れになったのかーあの二の舞となればどうするおつもりじゃ」
直虎「そうはならぬよう、方策を考えておる」
直之「供の者を、犬死にさせるおつもりか!
殿が駿府へ行く。ずらずらと人がついていく。その先には犬死にしかなかろうが!
これ以上人 を失って、どうするおつもりかー!」
直虎「死ぬとは限らぬー!」
直之「後見を降りると言えー!」
直虎「誰に向かってものを言うておるー!」
直之「……分かった。ではもう勝手になさるがよい。女子の浅知恵にはつきあいきれぬ」
直虎「負けることしか考えぬ、女子の腐ったような男など願い下げじゃー!」
直之は怒って出ていった。六左衛門が後を追いかける。
代わりに直虎の警護には僧たちが就くことになった。
直虎「では、六左、留守を頼んだぞ」
六左衛門「それがしは、己が情けのうございます。中野殿は説得できず、殿をむざむざ駿府に向かわ・・・」
直虎「なに、女子を手にかけるほど今川も落ちぶれてはおるまい。いざとなったら逃げ戻ってくるわ」
祐椿尼「直虎。まずいと思ったら変な意地を張らず、すぐに逃げ帰るのですよ。約東ですよ」
直虎 「では、行ってまいりますー!」
直之「あの尼、あれだけ言うたのに……」
直虎一行を遠くから見送っていた直之は、ため息をついた。
と、ポンと肩をたたかれた。振り返ると、南渓である。
南渓「暇なら、手伝うてくれんかの」
これから蜂前神社まで、百姓たちに読み書きを教えに行くという。
南渓「直虎に、折を見て教えに行ってくれと頼まれての。この間の田植えのときに約束したらしいのじや」
直之「……のんきな。」
なんとなく言いくるめられ、直之は南渓の手伝いをすることになってしまった。
百姓たちは大喜びで、皆、一生懸命筆を動かしている。
直之が興味なさそうに墨をすっていると、甚兵衛が声をかけてきた。

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甚兵衛「お運びいただき、ありがとうごぜえますで。殿は、直虎様はいかがお過ごしですかいやあ?」
直之「殿は……駿府から呼び出しを食らったのじゃ」
甚兵衛「駿府から、お呼び出し?それは、わしらのお願いのせいで?」
直之「……いや、うむ」
甚兵衛「まっさか、ご先代の直親様んときのようなことには--・・・」
富介「こんなことやってる場合じゃねえずらあー!」
福蔵「ほうでー!」
八助「わしら瀬戸に声かけて回るで。富介、福蔵は祝田頼むでー!」
直之「待て待てーおいー!」
八助「このまんまじゃ直虎様、ご先代みたいになっちまうかもしれんにーだったら、行かんといけんらあー!」
直之「そなたらが行ってもどうにもならぬ。足手まといになるだけじゃー!」
角太郎「ふんでも、直虎様は女子だでえー!」
八助「お守りできんじゃあ男じゃねえらあ!」
南渓「八助、角太郎。ここにいて直虎様のお役に立てることがあるとすれば、どうじゃ?」
南渓の周りに皆が集まり、何やら相談が始まる。
直之はそっとその場を離れて外に出ると、全速力で走りだした。
一方、駿府に向かった直虎たちは、途上にある山寺で夜を迎えていた。

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絶叫が聞こえてきた。
直虎「た、誰かっ!」
猛毒のまむしが直虎に向かって威嚇していた。
昊天「次郎、そのままです。動いてはなりませんよ」
臭天はまむしを手で捕まえた。
昊天「大事ないですか、次郎」
臭天が手を差し伸べるが、直虎は座り込んだまま動かない。
誰かが仕組んだのか、それともたまたま迷い込んできたのか。いずれにしろ、喚まれたら命を 落としていたかもしれない。
直虎「こ、腰が、抜けたー」
間の抜けた直虎の声が聞こえてきて、政次はほっと息をついた。
そのころ、井伊谷の龍漂寺には、なつが南渓を訪ねてきていた。
南渓「政次のことー?」
なつ「はい。どうしてもーつ、解せぬことがございまして。
義兄上には子がありませぬ。井伊の後見に収まり、手に入れたところで、先のないことと申しますか・・
にもかかわらず、それほどにこだわるのは、もしや、井伊を今川から守る盾になろうと しているのではないかと」
南渓「わしは政次ではないからの。
じゃが、もし、仮にそれが政次の本意であったとしても、政次は認めぬであろうな」
なつ「何故……」
南渓「本意を読まれれば、もう盾にはならぬからの」
一夜明け、直虎一行は、境内でそれぞれ出発のしたくを始めた。
政次「おとわ。今からでも遅くはない。後見を降りると言わぬか。
昨夜のようなことがまたあるかもしれぬし、 危ない目に遭うのは、お前だけではないと思わぬか」
直虎が迷ような表情を浮かべたとき、突如、近くの大木がぐらりと揺れた。
昊天「次郎ー!」
間一髪、倒木をかわす。あと一瞬遅かったら、間違いなく下敷きになっていたはずだ。
これは偶然ではない。やはり、何者かが直虎の命を付け狙っているのだ。
その時、護衛の僧たち目がけて、四方八方から鉈(なた)や鎌(くわ)が飛んできた。
隠れていた刺客が次々と現れた。
皆、防戦するのに精いっぱいだ。
傑山が目だけで探すと、敵に追われて逃げていく直虎の後ろ姿が見えた。護衛がいないうえに、かなり距離が離れてしまっている。
政次もそのあとを追っていく。
賊は直虎を追い、とどめを刺そうとやってくる。
たちまち取り囲まれ、恐怖で身動き一つできない。
そこから少し離れた斜面を、政次が気付かれないよう滑り下りてきた。柄に手をかけ、静かに刀身を抜きながらじりじりと近づいていく。その視線の先にいるのは、
賊が刀を振り上げる。同時に政次も刀を振り上げた、そのときー。
賊の動きが止まった。矢で胸を射ぬかれている!
直虎「直之!」
振り返ると、遠くに弓を構えた武士の姿がある仲間を殺され賊たちが、仇を討とうと直之目がけて突進していった。
敵を引き付けるだけ引き付けると、直之は小柄な体を生かして木々の間をりすのように動き回り、次々と相手を倒していく。

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直虎「……強い」
腕が立つのは知っていたが、まさかこれほどとは……。
直之「けがはござらぬか」
直虎「来て、くれたのか」
直之「女子のくせに出しゃばるから、かような目に遭うのじゃー!」
直虎「……女子は関わりなかろう」
直之「男のまねをしようが、直虎という名を付けようが、そなたは女子じゃ!そこですくんでおられたが何よりの証しじゃー!」
直虎「男でもかようなことになればー」
直之「守れねば、こちらの立つ瀬がないと言うておるのじゃー!
話を聞き、村の男たちはそなたを守ると駆け出さんばかりの勢いであった。
殿は女子ゆえ、われらが守らねばと。そなたはさようなことを考えたこともなかろうー!」
昊天「次郎!次郎!けがはありませんかー!」
直虎「うむ。直之に助けてもらい…」
直虎「……政次はどこじゃ」
政次「御用にございますか?」
直虎「政次。虎松の後見はそなたに任す」
直之「こ、ここまで来て、何を言いだされるー!」
直虎「もとより、そうせよと言っおったではないか」
直之「いや、しかし、それがしが来たからには必ずゃお守り…」
直虎に一同に言った。
直虎「何事も命あっての物種。まさかのときにはそうせよと、これは和尚様のお指図でもある。但馬、直虎は引くことにしたと駿府へ伝えてくれ」
政次「まこと、それでよいのですか」
直虎「さすがに、かように恐ろしいのはもうたくさんじゃ。もうよい……」
政次一行が駿府に発つと、直虎は残った者たちを振り返った。
臭天たちは直虎の決断を受け入れたが、直之は不満そうである。
直虎は直之を呼んで、寺の一室で向き合った。そしてあることをこっそりと伝えた。
直虎「実はーつ、頼みたいことがある。これは、そなたにしかできぬことじゃ……」
翌日、政次は直虎からの書状を携えて駿府に到着した。
政次「道中で己のやっていることの恐ろしさに気付いたようにございます」
寿桂尼「初めからこうしてくれておればよいものを」
政次「お手を煩わせまして」
そこへ、井伊の中野という者が書状を持ってまいったという知らせが入る。
寿桂尼「正式なものを持ってまいったということか?」
寿桂尼がその者に対面した。
面を上げると、そこにいたのは中野ではなかった

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直虎「井伊直虎にございます。 こたび 、太守様の命により、申し開きに参上つかまつりました」
寿桂尼「……そなた、但馬に後見を託し、井伊に戻ったと聞いたが」
直虎「は。こたび、ありがたくも太守様より駿府へ申し開きに来るようにお指図を頂きまして。
こたびこそは決してお下知に逆らうまい、必ず申し開きに参ろうと勇んで井伊を出たのでございますが、道中、何者かに付け狙われまして……
これではたどりつけぬ、またお下知に逆らうことになると、涙をのんでそこなる但馬を隠れみの に使い、その何者かを欺きましてございます」
昨夜半、直虎は直之のふりをして寺を出立し、駿府までの道を馬で一気に駆け抜けた。そして直之は今朝方、直虎の着物を着て井伊谷に戻ったのだ。
皆を命の危険にさらすことなく、自分もまた付け狙われずに、当初の目的を果たす。背格好の似ている直之がいてこそ可能な、替え玉作戦だった。
寿桂尼「……そうか。それほどまでに申し開きをしたいとは殊勝な心がけじゃ」
直虎「は」
寿桂尼「聞くところによれば、こたび、今川よりの徳政を行わなかったということであるが」
直虎「行わなかったのではなく、できなかったのでございます。徳政を命ぜられました折、すでに瀬戸・祝田は寄進を受け寺領となっておりましたので。
今川磨下(きか)の者が守るべき仮名目録、第22条、不入の地の事。あらためるに及ばず。
すなわち、寺社領においては、守護といえど介入はならぬと明記されておりますゆえ。井伊は忠実にお定めに従ったまでにございます」
寿桂尼「よう小理屈をひねり出したようじゃが、あいにく、この件は義元公の『追加』の『掟』によって改められておる。守護使不入とありとて、お下知に背くべけんや、と」
寿桂尼「井伊が忠実に『淀』に従うと申すならば、下知には背かぬのが道理。速やかに徳政を行われよ」
直虎「……私に徳政を行え、と」
寿桂尼「そうじゃ」
直虎「それは、私こそそれにふさわしき者、後見とお認めになっておられるということになりますが。さように受け止めてよろしいのでございましょうか」
政次「恐れながら、申し上げたき儀がございます!
それがし、ここに一通、文を預かっております」
政次「虎松様のご生母様はあくまで直虎様の後見を望んでおられぬと、一筆頂きたいのです虎松君のご生母様より、直虎様の後見は望まぬという書状にてございます」
寿桂尼「それは困った話よのう。生母が望まぬ後見など、のちのち火種となるのは目に見えておる。井伊のことを思えば、さような者の後見を認めるのは難しいのう」
そこへ井伊から届け物が届いたと連絡がはいる。そこには大きな巻物があった。
家人たちが二人がかりで巻物を広げる。すると、めちゃくちゃな筆跡で書かれた 一文が現れた。
”われら瀬戸村祝田村は直虎様を後見に望む”
村人たちの署名が、下手くそな字でずらずらと続いていく。
甚兵衛……八助、角太郎、富介、福蔵……
寿桂尼「どういうことなのじゃ、これは」
直虎「徳政を願い出た、瀬戸と祝田の百姓たちです」
寿桂尼「……百姓たち?」
そしてその署名の末尾には、南渓の添え書きがあった。
”かつて、義元公は己の力量をもって、国を治むとのたまわれり。
比ぶべくもない小さき力量なれど、直虎にもそれをお許し願いたく存じ奉り候。
なぜならば、それが井伊の民が望むところであるゆえ、その旨お伝え申し上げたく、お目汚しとは承知のうえ、差し出したる次第にて候”
寿桂尼はじっと書面に目を落としている。
直虎は今の状況も忘れ、優しいまなざしで一人一人の名前を見つめていた。
南渓が皆に手取り足取り、字を教えてくれたのだろう。慣れぬ筆と格闘し、一生懸命、署名をしている皆の姿が目に見えるようだ。
寿桂尼「直虎」
直虎「……は!」
寿桂尼「もし、そなたに井伊を任せれば、そなたはいかにして民を治める」
直虎「……潤すことで」
寿桂尼「国というのは、まず民が潤わねばなりませぬ。民が潤わねば、国が潤うことはないと思います。民が潤えば、井伊が潤います。井伊が潤えば、それは今川の潤いとなっていくと、私は考えており ます」
寿桂尼「……井伊直虎、そなたに後見を許す。向後は己の力量をもって、井伊を潤すがよい」
直虎「では!」
寿桂尼「ただし、次はない!もう二度と、生きて申し開きができると思わぬことじゃ」
直虎「……き、肝に銘じておきまするー一」
今川館を出ると、六左衛門が待っていた。
井伊谷に戻ると、各村々の百姓たちが総出で出迎えてた。
館の前には、祐椿尼と直之、たけ、弥吉、臭天と傑山、小坊主たちの姿があった。なつとあやめたち新野の三姉妹までいる。
直虎「…井伊直虎、ただいま戻ってまいりましたー」
しのぶの一こと
道中、直虎一行は襲われて絶体絶命の危機に!危ない目に合いながらも、味方?も欺き今川に一人乗り込んでいくとは、もうびっくりです。
直虎にあんなに対立していた直之が、突然現れ直虎の危機を救うとは!なんというツンデレ!そして強い!かっこいいーー!
傑山は僧侶なのになぜいつも腕まくりしてるのでしょう?…二の腕の逞しさすごい!ご馳走様でしたーーー。
寿桂尼も百姓たちの刺客を送ったくせに(怒)さすがの寿桂尼さまも手書きの嘆願書には、さすがに心を動かされたご様子で、よかった。でも対面したのが氏真だったら、こういう展開はなかったのかもしれません….。
それにしても、対面中に人が来たり物が届いたりしてどんどん流れが変わっていくのは、ありなんでしょうか?…まぁ助かったからいいけど。
直虎の武士姿もまた可愛かった。
そして忘れていけないのが政次。何を考えてるかわからない微妙な演技をする一生さん。今回なつの発言でなにかヒントのようなものが得られた気がします。でも、まだ言わないでおきます。
あの、微妙な揺らぎを演じる一生さんには、目が釘付けになってしましますねー。
はぁ〜、今回もよかったー。