最初は女のくせにという目で見られていた直虎も、今では誰もが一目置く存在になっているのがなんとも頼もしいですね
今回も直虎の人望の高さがゆえに、また新しいステージにあがることになります
そして、龍雲丸との絡みもあります!
前回(第26回)のお話をサラッとおさらい
今川は井伊で切り出した材木を使い、気賀で築城計画を進めていた
気賀では商人たちが武家が町に入ることに猛反発
商人同士でも反対派と賛成派に分かれて大騒動になる
井伊の材木や龍雲丸も絡んでいることから、直虎もこの問題にかかわることに
そして、思いもよらない方向に話が進みそうな気配なのであった
第27話 2017年7月9日放送
ネタバレを含みます
まだ詳細を知りたくない方は読まない方がよいでしょう
会話多めで書いています
城主への道
中村屋たちが井伊の館にやってきた
中村屋「気賀を大沢様に代わって、井伊様にお預かりいただくわけにはまいりませぬか。あのあと、皆で話し合ったのですが、どう考えても、井伊様にお引き受けいただくほうが話が早く、確かなのではないかと」
直虎「しかし、それは今川の命ゆえ」
中村屋「私どももできることはなんでもいたしますゆえ。どうか気賀をお助けいただけぬでしょうか」
方久「やりましょう。申し合わせたかのような巡り合わせ。これはもう天命にございましよう!」
直虎は、皆に一晩考えさせくれるように頼んで一旦帰ってもらった
その夜、直虎はいつものように碁盤を囲みながら、政次にもこのことを相談してみた
政次「殿が思いとどまられるとはお珍しいですな。しかし、戦もせずに気賀が取れるならば、こんなにうまい話もございませぬな」
直虎「但馬はこの話、乗ったほうがよいと思うのか」
政次「浜名の湖へとつながる水運を考えると、やる値打ちはあると思います。あとは、殿のお心一つかと」
直虎「できることなら、気賀の者たちに報いてやりたいと思う。皆が作り上げてきた町の形を守ることができれば、とは」
そして考えに考えて、直虎はこの話を引き受けることにした
翌日、直虎は中村屋を呼び、家臣一同を集めて決意を告げた
直虎「うまくいくものかどうか、自信はないが」
方久「大事のうございますよ。私が思うに、さほど難しいことではございませぬゆえ」
直虎「一体どのような策を考えておるのじゃ」
方久「関口様に口添えいただけるよう頼もうと思います」
直虎「あの関口殿が口添えするわけがなかろう」
方久「いや、井伊の目付だからこそ、取り入る隙があると思つのでございますまあ、私にお任せくださいませ」
一方、この話は気賀を出ていこうとしてた龍雲丸たちにも、中村屋を通じて伝えられた
中村屋「井伊様なら気賀に理解があるし、われたのことを考えておさめてくれるはずじゃ。すべて今のままにとはいかぬであろうが、もう一度、考えてみてはくれるかの。気賀はそなたらを頼りにしておるし、そなたらにとって悪いところでもないと思うし」
方久もすぐに動いた
関口に会いに行き、贈り物を送り、気賀が井伊家の預かりとなった折には、港の儲け口の一つも差し上げたいと持ちかけたのである
関口は、たちどころに陥落した
直虎「銭の力とは、まことすさまじいものじゃの…」
方久が氏真と謁見することになったのだが、その最中に火急の知らせが入った
武田信玄が幽閉していた嫡男、義信が自害したというのだ
義信は氏真の妹の夫であり、武田家と今川家の同盟の要でもあったのだ
しかたなく方久は一旦退出し、後日また出直すことにした
龍雲丸の過去とこれから
龍雲丸はしばらく町を離れていたがひょっこりと帰ってきた
そして、そこに居合わせた中村屋に城の普請を龍雲党で請け負いたいと言いだした
龍雲丸「中村屋様。俺、これなら気賀のためになるんじゃねえかって城を思いついたんでさあ」
龍雲丸は、町を離れていた間にさまざまな城の絵図を集め、他の城内に忍び込んでは内部の様子を確かめていたというのだ
その日直虎は、気賀でゴクウにばったり会った
声をかけて話しを聞いたところ、気賀を出ていったと思っていた龍雲丸がまだいることを聞いた
それを聞いた直虎はホッとしたと同時に無性に腹が立ってきた
そして、直虎は龍雲丸のアジトへ向かった
龍雲丸を見つけると声を荒げた
直虎「何ゆえじゃ。……何ゆえ、出ていかなかった!」
龍雲丸「いちゃ悪いんですかい」
直虎「何がなんでも出ていくようなことを言うておったではないか!」
龍雲丸「せっかくですし、見に行きますか。城の普請場でも」
導かれたのは船の上だった
湖の真ん中で龍雲丸は碇を投げ下ろした
岸は遠い
直虎は狼狽した
直虎「……え?な、何をしておる」
龍雲丸「泣いてもわめいても、誰も助けに来ませんぜ」
にたりと笑い、龍雲丸が近づいてくる
逃げ場は水の中しかない
龍雲丸「違いまさあ!嘘でさあ!」
直虎「では何ゆえ、かようなところに停めた!」
龍雲丸が両手を広げた
龍雲丸「ここなんでさあ。城、ここに造るんでさあ」
辺りは一面、水である
龍雲丸「潮が引けば、この下は中州になるんでさあ。潮が引いていても、ぬかるんでて馬は来れねえ。泥田舟がありゃ進めねえこともねえが、遅えし、大勢で攻め込むなんてこたあ難しい」
敵が往生している間に、城中の者は船で裏から出すことができる
そこに水軍で攻め寄せる手もあるが、湖の周囲は今川方の国衆が囲んでおり、その戦術は考えにくい。
龍雲丸「もし、この世にあったほうがいい城なんてものがるとすれば、こういうもんなんじゃねえかって思っんでさあ」
直虎「捕まらぬための城か」
龍雲丸「根が盗人なもんでね」
直虎「……よいのではないか。実によいと思うぞ」
ふと見ると、そらに白い雲がもくもくと湧き出していた
直虎「雲も何か城に関わりがあるのか?以前、空に雲があるから仕官はできぬと」
龍雲丸「大した話ではねえんで」
直虎に強く促され、龍雲丸は己の過去を語った
城が落ちて逃げ延び、盗賊団に拾われたこと
その一味もお縄となり、また一人になったこと
そのとき見た空に、大きな龍雲が出ていた
龍雲丸「その雲を見ていて、これから先は、何にも誰にも縛られず、己の心に従って生きてやるんだと決めたんでさあ。けど、気付いたら、仲間に縛られ、町に縛られ。ざまあねえでさ」
直虎「頭は心の奥深いところでは、奪われてきたものを取り戻したいと望んでおったのではないか?」
直虎「尼小僧様はいつも、俺の考えつかぬことを言う」
龍雲丸「お互いさまじゃ(笑)」
船を下りるとき直虎は、大沢側の意向について尋ねてみた。築城を急げとしか言われないという。
龍雲丸「ほかの普請も多いんじゃねえですかね。大沢はいくつも城を持っておるようで、修繕しているところが多いようです」
その時、直虎は閃いた!
直虎「頭!大沢のほうから、手を引きたいと言わせればいい。そうすれば、そりすれば井伊が滑り込める!」
気賀をおさえる
そして、方久が再び動いた
大沢に対面し、気賀がいかに治安の困難な土地であるかを説いたうえで、このたびの分裂騒ぎを裏に回って収めたのが、ほかならぬ直虎であることを話した
その気になれば、気賀が徳川や武田と通じることはたやすい
何もわざわざそこを揺るがせ、足元から火をつけることはないのではないか
方久「一つ大沢様の口から井伊をご推挙いただけませぬでしょうか」
不安に陥った大沢はこれを受け、方久ともども氏真に目通りして、井伊への譲渡を申し出た
大沢「わが大沢家が浜名東岸の守りを固めるためにも、気賀は誼(よしみ)の深い井伊にお任せしていただけぬかと」
方久「井伊も一丸となり、太守様のおんために銭を稼ぎ出そうと思うております」
関口「恐れながら、私も、この者らの申すとおりかと」
氏真は、不機嫌そうに言った
氏真「……好きにせよ。どうせ余は能なしじゃ」
気賀は井伊家の治めるところとなり、すぐに城の普請が始まった
年が改まり、春が闌ける頃、堀川城と名付けられた新城が完成した
湖に浮かぶ港のような城とともに、直虎は文字どおり、新たな船出の時を迎えることとなった
おもな出演者
井伊 直虎 主人公(次郎法師) 柴咲コウ
瀬戸 方久 瀬田村の商人 ムロツヨシ
小野 但馬守 政次 井伊家重臣 高橋一生
奥山 六左衛門 井伊家家臣 田中未央
中野 直之 井伊家家臣 矢本悠馬
今川 氏真 今川家当主 尾上松也
関口 氏経 今川家家老 矢島健一
大沢 元胤 堀江城当主 嶋田久作
龍雲丸 盗賊団の頭 柳楽優弥
中村 与太夫 気賀の商人 本田博太郎
伊勢屋 気賀の商人 松尾貴史
【大河ドラマ放送日時】
毎週日曜 総合テレビ 午後8時より
BSプレミアム 午後6時より
再放送 毎週土曜 総合テレビ 午後1時5分より
●各回のあらすじはコチラ です➡「おんな城主 井伊直虎 」あらすじ一覧
しのぶの一言
城の普請を企画した龍雲丸の生き生きとした表情がとても印象に残りました
直虎に出会い、ぶつかり合いながらも、本当はやりたくなかった盗みも止め、新たな生き方を見つけて自分の力を発揮できる喜びに満ちあふれているのでしょうね
そして銭の犬、方久の素晴らしい仕事ぶり
上級官僚と接するときの嫌らしい感じ、とても乞食のような格好で小屋に暮らしていた男と同一人物とは思えないです(笑)
最後は穏やかに笑みを交わす直虎と政次になんだか満足しました!
それにつけても、今川氏真の凋落ぶりはまたひどいですね〜(笑)
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