放送 毎週日曜 総合テレビ 午後8時より
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毎回一話ずつあらすじ、詳細情報、ひとこと(感想)を書いてますので、よかったら読んでいってください。
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第4回 「女子にこそあれ次郎法師」あらすじ
前回はとわは下知に従い今川家に出向いた。なんとか人質になることは免れることができたがその条件として出家することになる。
おとわは出家とはどういうものかわかっていなかったもよう。
剃髪して龍潭寺に入り厳しい修行が待っているが、果たしてその行方は…?
詳細情報
ネタバレを含みます。
まだ詳細を知りたくない方は読まない方がよいでしょう
本領安堵
鶴丸「おとわ様!」
とわ「鶴!おじじ様に川名に連れ去られたのではなかったのか?」
鶴丸「おとわ様が帰ってくるのだから交換じゃと、殿がおとりなしくださった」
おとわは出家することを鶴丸に話しした。
つる「出家すれば、戻ってこれたとしても、亀とは夫婦になれぬのではないか」
実は、おとわはそこまで考えてなかった…。
主殿では、南渓の持ってきた書状を前に、直盛、直平、左馬介が膝を付き合わせていた。
「一女とわの出家をもって本領安堵」
本領安堵を条件とされては、折を見てそろそろ還俗とはいきにくくなってしまった。
「おとわ様を戻せぬとなったら、一体家督はどうなりましょう。また小野を入れよということになるのでは?」左馬介が心配そうだ。
「亀もなんとか泳いどるようだしの」一同はハッッとした。
亀之丞は無事なのだろうか。
南渓は、とわの出家のことに関して寺に引き取りたいと言い出した。
直盛がとわを部屋に呼んで寺住みの話した。
とわは出家したくないと言い出した。
とわ「だって、出家したら、亀と一緒になれぬではないですか」
直盛「しかし、おとわの出家は、本領安堵の引き換え条件になっておるゆえ」
とわ「本領安堵?」
直盛「おとわが出家したならば、井伊の領地をそのまま井伊のものだと認めてやるということじゃ」
とわ「そんな…」
とわは責任の重大さにようやく気づいた。
千賀はとわの手を握って言った。
千賀「母はあなたを誇りに思います。己の身を挺し、井伊を救うなぞ、誰にでもできることではありません」
目を潤ませて讃えられ、とわの顔がにやける。千賀はなんとか丸めこむことに成功。
おとわ出家
皆が見守る中、正装用の法衣に身を包み、三角の詩公帽子をかぶった南渓の手で、手を合わせたとわの頭にかみそりが当てられた。
頭がそりあがり、黒染めの袈裟姿になったとわに向かい言った。
「これより、そなたの名を次郎法師とする」
尼の法名にしては不自然である。次郎は男名であるし、法師は僧侶の呼称だ。
南渓「次郎は井伊の家督を継ぐ者の幼名じゃ。そなたの父上も次郎であったしの」
南渓「そなたはかつて井伊の惣領娘じゃった。女子にこそあれ次郎、次郎法師、ということかの」
とわは黙ってうつむいた。
とわ「そもそもわれが本物の次郎であったら、亀もあのような目に合わずに済んだのではないかと」
とわの言葉に一同はしんみりとした。
とわ「父上、母上、とわは立派な次郎法師になります」
とわが龍潭寺に張り切ってやって来ると、昊天と傑山が山門でとわを待っていた。
門を入ろうとすると、いきなり傑山に担ぎ上げられ、立ち入り無用とばかりに放り上げられた。
昊天「ここで入門を乞うて許されねば、お寺に入れませぬ」
とわは傑山に向かっていっては担ぎ上げられ放り出されを何度も繰り返した。
南渓はいつにもなくそっけにない。
南渓「おぬしはここに何しに来た」
とわ「は?」
南渓「何しに来たと聞いておる」
とわ「家の事情で出家せねばならなくなり….」
南渓「ほう、出家。出家とはなんぞや」
とわ「お坊さまになること、ですか?」
南渓「僧、僧とはなんぞや」
何一つ答えらぬまま、禅問答が延々と続く。
そして、昊天に皆一緒に寝泊まりするという修行堂に連れて行かれた。
その後、作務があるからと連れて行かれた畑では、修行僧たちが農作業に精をだしていた。
昊天「一日作らざれば一日喰らわずです」
そう言うと鍬を手に取った。とわも何をしてよいかわからないが、質問も許されず、しかたなく重たい鍬を手にとって見よう見まねで土を耕し始めた。
くたくたの体で戻った修行道で出された食事は質素そのもの。
とわは一日で音を上げて館に逃げ帰った。
とわがたけに食事をもらっているのを見つけた千賀は怒鳴った。
千賀「すぐに追い返してしまいなさい」
千賀「出家したその日に戻ってくるなど、辛抱が足りないにもほどがあります」
とわ「あんなところで暮らすのは無理じゃ!死んでしまう!」
千賀「そな他の出家は本領安堵と引き換えなのです。戻ってこられては困ります。そなたは結局、井伊の家を潰すのですか・・・」
とわ「かような家、こちらから出ていってやるわ!」
捨てぜりふを吐くと、とわは館を飛び出した。
とわが寺に戻ってから、昊天は南渓に聞いてみた。
昊天「なぜ、お寺にお引き取りに?」
南渓「あの子は、たった十やそこらで今川の下知をひっくり返したのじゃぞ。
ご初代様を拾うた神主が、ひと目見て『これはただならぬ子』と思うたらしいが。
わしはあのとき『これはただならぬ子』とはこういうものかと思うたのじゃ」
(あの時とは、今川館から出てきたとわの姿をみた瞬間)
南渓「形こそ女子であれ、あれは次郎。向後、どんな道を歩みかは分からぬが、すくなくとも蝶よ花よと育てるものではないと。そう思ったのじゃ」
主殿の評定の場にて
政直が直盛に書状を差し出す。そこには、
『旧井伊直満が所領 当家目付小野政直の下 治領することとす』とある
一同は承知しかねた。口々に怒りをあらわにする。政直は言うことだけを言うとさっさと帰っていった。
そこへ直平がやってきた。
直平「実はな、父の仇をさがしているという男がいるのじゃ」
その仇が小野和泉守政直と聞き一同は驚いて顔を見合わせた。
たまたま直満の墓参りをしていた直平は、若い武士と出会った。殺されて洞窟に捨てられいた山伏、北条の密使の息子だという。
直平「その男に、仇が和泉じゃと教えてしまいさえすれば、放っておいても和泉は殺されるというわけじゃ」
わからないように村の者を使い噂を流せばよいというのだ。
竜宮小僧として
一方、とわは慣れない農作業で疲れ切っていた。しかも空腹で力が出ない。たまらず南渓に泣きついた。
南渓「そんなに腹がへっておるのなら、もらいに行けばよいではないか?」
托鉢というものがあるのだという。
とわは鉢を手に寺を駆け出して行った。
ところが、とわの托鉢はうまく行かなかった。どこへ行っても邪魔者扱い。
空腹のあまり畑の作物を盗み食いしているところを、通りかかった鶴丸に見つかってしまった。
とわは恥ずかしさと惨めさでいっぱいになり泣き出した。
とわ「もう嫌じゃ、出家などもう嫌じゃ!」
とわが泣き止むのをまって鶴丸が言った。
鶴丸「出家とはそういうものだと思わなかったのか?」
とわ「寺に住んで、手習いをするようなものだと」
鶴丸「阿呆じゃのう。相変わらず」
とわ「鶴が戻ってきたとしても、これでは約束は果たせぬ」
鶴丸「約束?」
とわ「亀の竜宮小僧になると約束したのじゃ。亀は丈夫でないゆえ、妻となったらわれが助けると。それももうできぬのに・・・。修行だけは押し付けられ、わればかり貧乏クジをひいておる」
鶴丸「なにが貧乏くじじゃ。おのれでまいた種であろうが」
鶴丸「それに、竜宮小僧はできるのではないか?妻とならずとも、僧として竜宮小僧をすればどうじゃ。寺には領主を助ける役目もある。妻としてよりも、僧としての方が亀を助けることは多いくらいではないのか?」
とわの表情がみるみる晴れていく。
とわ「鶴、ありがとう!」
竜宮小僧は、困っているものがいたら、人知れず助けてくれる。
われも同じように生きておれば、いつか鶴が戻ってきたとき、役に立つそうになれるかもしれない。
とわは、先刻訪れた食べ物屋再び出向いた。店の水桶が空だったのを見つけるた。
水桶を担ごうとして、主は目を丸くした。空っぽのはずだった水桶に、水がなみなみとくんである。
店の主「一体、誰でぇ」
とわが出てきた。
主「なんでぇ、さっきのガキじゃねえけえ」
とわ「ただのガキではない。竜宮小僧じゃ」
主は大笑いした。笑いながら食べ物をくれた。
とわはがつがつとむさぼり食べた。こんなにおいしい食べ物は初めてだと思った。
小野政直が供を連れて屋敷に帰ってきた。
その時、物陰から何者かが飛び出してきて政直に斬りかってきた。政直は刀を抜く間もない。
ところが次の瞬間、直盛の家来衆が若い武士を取り押さえていた。
父を殺されて仇を打ちに来ていた男であった。直盛が機転をきかせて政直を助けたのでだった。
その後に左馬助から、なぜ和泉をお助けになったのですか?ときかれると直盛は、
「鶴から父を奪いたくなかった」と漏らした。
もう親をなくして悲しみ子の涙はみたくない。
その後もとわの修行は続いた。そして亀之丞の帰還を一途に待ち続けた。
そうするうち、9年の歳月が流れた。
しのぶの一言
とわの坊主頭が予想以上に可愛かったですね〜!
南渓和尚がとわを見込んであえて厳しい修行の道を進ませますが、それがその後生きてくるはず。
とわは一日で音を上げて家に帰りますが、千賀は追い返します。
でも子どもを空腹を満たしてあげることができないなんて、母親にとってはどんなに辛いことでしょう。
千賀の辛さがわかるから思わず涙ぐんでしまいました。
鶴ととわのやりとりも良かったですよね。
鶴はキツいこと言っているようだけど、とわを支えてくれる大切な人なのですね。
かわいい子役さんたちも今回でおわり。
次回からはいよいよ柴咲コウ、三浦春馬、高橋一生が登場します。
とっても楽しみ!