最近の大河ドラマは、今までの伝統的なものを壊しに来ているような気がします
今までの歴史に大胆な新しい解釈が加えられたり、笑えるシーンもあり、エンターテイメントとして楽しめるものになっていますよね
そういうのダメな人もいるようですが、私は大好きです!
2017大河ドラマ「おんな城主直虎」は直虎は未知の人だったので、先の展開が全くわからず、最後までハラハラドキドキでした
なんと言っても森下桂子さんの脚本が素晴らしくて、しょっちゅう地獄に突き落としてくれて…辛かったです(笑)
俳優さんもいつものようきバラエティーに富んでいて楽しめました
直虎役の柴崎コウさんの目ヂカラ!すごかったですよね。あの目を見た時に、なぜ柴崎コウさんが直虎役になったのかがわかりした!
あんな虎みたいな目をした女優さんって他にはいないですものね
それから、政次役の高橋一生さんの人気も凄まじかったですねー。
政次のよさを語り出したらとまらなくなるので、ここに書きませんが、あの政次をオンエアーで見れたのって、すごーく幸せなことだと思っています!
私の作った政次カタログを見て、これだけで焼酎の水割りが何倍でも飲めるとコメントしていった方もいるほどですからね〜
おんな城主直虎とはどんなお話だったのか?
初めて2017年の大河ドラマは「おんな城主井伊直虎」だと聞きた時は、井伊直虎って誰?と思いました
しかも直虎はというのは女性の名であるというし…
女だてらに武装して馬にまたがって戦うのかなぁ。女の子の武者姿、絵的には可愛いかもしれないけど、1年もそんなの見てたら飽きそう…そんな風に思っていました
井伊直虎に関しては、歴史に詳しい人すら知らないという状態だったのです
初めに大河ドラマの内容として知らされたのは、井伊家の家督を継ぐ男子が次々と亡くなってしまい、井伊家の女子で出家していた直虎が後を継ぐというお話しだということ
…そうか、女城主が色々と苦労するんだろうなぁ、大変なんだろうなぁ、ぐらいしか感想がありませんでしたね。最初はあまり気持ちが乗らなかったというのが本当のところです
ところが「おんな城主直虎」第一回からその世界観に引き込まれてました。井伊谷というところは、実在します
浜松の近く、緑の豊かな土地です。舞台はそこからほとんど動くことがありませんでした。駿府、気賀、三河それくらい
木造で清潔感あふれる井伊谷城や龍潭寺、緑ゆたかな井伊谷の田畑や山々、中世らしい綺羅びやかな駿府の城下、賑やかでな商人の街、気賀。家康の本城となった浜松城。
どこか懐かしさを感じさせるような質感のステキなところばかり
今回の大河ドラマはスウィート大河とも言われていました。女が主人公でイケメンを散りばめているからなのでしょうか?
大河ドラマが放送される前にNHKで作られた「おんな城主直虎」の短い動画は、女子がおしゃべりしながら井伊の男子を品定めするという、なんだかラブリー内容でした
ところが、ドラマが始まってみるとスウィートなんてとんでもない!毎回悲惨な事件が頻発して、それはもうハードなドラマだったのです
たまにいい感じで終わる回もあるのですが、ネットでは ”気をつけろ!次回はまた地獄に突き落とされるぞ!” というようなtweetが飛び交っていました
”森下さんの鬼脚本” などとも言われていたり(笑)
ですから毎回、身構えて見ていました。それでも予想のつかない展開に、何度も奈落の底に突き落とされて…どれだけ泣かされたかわかりません… (涙)
「おんな城主直虎」は3つのパートで出来ている
「おんな城主直虎」は3つパートに分けられると思います。それぞれで、直虎の立場や状況が変わっていくのです
- 子ども時代から出家して直虎となるまで
- 井伊の当主として活躍する直虎
- 井伊家滅亡後、影の殿として直虎が活躍
直虎が城主になりますが、途中で井伊家は滅亡しています。2017年の夏の終わりごろです。政次も亡くなったし、この後をどう収束させていくのだろう?と正直ちょっと心配になりました
城もなく、直虎はもう城主でもないのです。当の直虎はさっさと農婦になるという選択をしてしまいます
潔いといえば潔いけれど、おんな城主はどこへ行った?状態なわけですよ…
直虎が歴史上の有名人物なら、その先どうなるかというのはわかっていたのですが、直虎についてはほとんど資料がなかったのです
でも、直虎が城主をやめてからが本番というか、このドラマのテーマがあったのではないかと私は思います
このドラマのテーマは何か考えた
城主になった時、直虎には政策というのが何もありませんでした
でも、それは仕方のないことです。直虎は出家していたし、女であったので政策に関わったことなどかったのですから。
行き当たりバッタリの対処をするしかなかったのです
ある時、敵対していた政次に聞きます。もし自分が当主だったらどうする?と
政次は「戦わず勝つ道を探る」と答えます
戦わずして勝つ!
それが直虎の一つの指標となったように見えました
ところが、世は戦国。度重なる戦さに振り回され、直虎は犠牲を避けるために城を明け渡していまいます。そして家を潰すことを受け入れます
その後も戦さはいたるところで続き、たくさんの人が亡くなって行きました。直虎はそんな事態を憂いました。どうしたら戦のない世の中をつくることができるのか?
その答えは、家康に天下をとってもらうということに行き着きます。本当は戦さの嫌いな家康が天下をとり、日の本が一つにまとまれば、戦さのない世になる。そう考えたのです
直虎が望んだことは、ただ人の命を守ること
男のように戦に勝つことでもなく、自分の家を残すことですらない
この世に生まれてきた命を守ること。家族だけでなく、ほかのどんな人でも。理不尽に命を落とすような世の中はもう終わりしたい!
表の世で上手く生きれなくなった人を隠して、逃してでもその命を守りきりたい!
井伊家を再興するために武功を立て出世することに邁進する万千代は一見、井伊家の救世主のように見えました
でも、直虎はそんな万千代を制します。なんのために井伊を再興するのだ?と。そのことで直虎と万千代は対立します
でも万千代は、直虎と家康とのやりとり、そして直虎の死後に万千代に渡された白い碁石、そこから直虎の思いをしっかりと受け継いでいくのです
戦わずして勝つこと!
万千代は後に直政と名を改め、家康の家臣として活躍します。多くの戦さに参戦し、武功もあげましたが、交渉術も使いこなせる武将になっていったようです
避けられない戦さもあるけれど、和睦への道も探る。武力に頼らず、戦わずして勝つ道をも探るということをいつも頭に置いていたのではないでしょうか
戦いに勝つことや天下をとること、それよりも人の命を守るということに触れていることに新しさを感じました
番外編 「おんな城主直虎」で株をあげたと思われる人
井伊家の方々は間違いなく株をあげたと思われます。
井伊家の有名人といえば、井伊直弼ですが、「安政の大獄」で多くの勤王の志士達を死罪に処した人物としてダークなイメージがありますよね
井伊家のご子孫の方々も今まではちょっと肩身がせまかったのではないでしょうか?
でも、今回の大河ドラマの放送で井伊直虎や井伊直政の活躍が認識されて、井伊家にも良い感じのスポットライトが当たっのではないでしょうか?
また、徳川家康も私の中では確実に株をあげました。家康といえば、今まではなんとなくずる賢いというイメージをもっていました
ところが「おんな城主直虎」の中での阿部サダヲさん演じる家康は、気弱でちょっと変わり者な武将として描かれています
一方で、先に天下統一を目指していた織田信長は非常に残忍なところがある武将として描かれます。罪のない家康の妻子までも死に追いやってしまうのです…
信長みたいな人が天下を取ったらヤバイかも…。ネット上でも、”早く本能寺で焼かれろ〜” などと言われたりして
戦国時代というのは、殺ったり殺られたり、戦に関係してなくても自分たちの生活がいつ脅かされるかわからないという非常に恐ろしい時代
そんな時代に終止符をうつためには、早く日の本を統一して、平和に治めてくれる人の登場を!となった時、
やっぱり徳川家康なんじゃないの?というムードになっていきます
家康も自分が天下をとりたいという願望はなかったのですが、直虎や家臣からも押されてそのステージに上がっていう風に描かれているのです
しのぶの一言
この大河ドラマClubは2017 年12月に立ち上げ、ちょうど1年になります
記事を書き続けることはなかなか大変でして、結構苦しんで書いていました…
でも「おんな城主直虎」がとても素晴らしいドラマで魂を揺さぶられ続け、ときには泣きながらなんとか最後まで続けることができました
そしてまた、お読みくださった皆さんがいてくれたことが大きな力になっていたことは間違いありません!
たくさんのイイねやリツイートそしてコメントを頂きまして、ありがとうございました
来年も引き続き「西郷どん!」について書いていくつもりです。今後も応援していただけたら嬉しいです