
©NHK
斉彬の命を受けて、一人江戸に向かった吉之助
一橋慶喜(ひとつばしよしのぶ)将軍擁立のため、
今回は殿はいないので、一人で立ち回らなくてはなりません
そして、危険な目に会うことにも…
●前回のあらすじはコチラ↓
第14回 2018年4月15日放送
ネタバレを含みます
まだ詳細を知りたくない方は読まない方がよいでしょう
一橋派VS南紀派の対立が激化
安政4年(1857)10月21日、将軍・徳川家定はアメリカ総領事ハリスと初めて江戸で会った
タウンゼント・ハリス
アメリ力合衆国の外交官で、初代駐日総領事として下田に着任。清国の対外関係緊迫を利用して幕府を説得し、日米修好通商条約の講印に成功。初代駐日公使となって、江戸善福寺(港区元麻布)に公使館を置いた
家定「遠国よりの書簡をうれしく思う。幾久しく友好を保ちたいと大統領に申し述べるべし」
家定はその言葉を、何度も何度も繰り返してしまう…
じつは家定は、篤姫と何度もその言葉を練習していたのだ
篤姫が、無事に大役を果たした家定を褒めた
彼女の笑顔が大好きな家定は、篤姫とも幾久しく友好を保ちたいと本音を漏らした
病弱でうつけのように伝えられていた家定だが、じつは心のあたたかい、やさしい人であることがわかって篤姫も心を寄せていくようになる
江戸に着いた吉之助は福井藩主・松平慶永(まつだいらよしなが)のもとへと赴いた
斉彬は、関東方面での段取りを慶永に一任して、吉之助を慶永に遣わせたのだ
阿部正弘の死によって、慶喜の将軍擁立は暗礁に乗りあげていた
ハリスの要求を拒めず、家定との謁見を許した老中首座の堀田は頼りなく、阿部のように徳川斉昭を抑えることができなかった
よって、幕閣内での斉昭の評判は悪くなる一方だった
それに乗じて、紀伊藩主・徳川慶福を次期将軍に推す彦根藩の井伊直弼は、斉昭の悪評を流していた
慶永は吉之助に、橋本左内とともに慶喜擁立に向けて諸藩の大名を説くよう命じた
また、将軍になることを固辞している慶喜を説得するよう、吉之助たちに言いつけた
吉之助と佐内の裏工作を開始
旅籠「磯田屋」に赴いた吉之助は、慶喜がいかに英邁であるかを記した「橋公行状記」を幾島や諸藩の藩士に渡し、広めてもらおうと左内と相談していた
一橋慶喜の輝かしい業績を記述し、いかに次期将軍にふさわしいかを訴えた推挙状のようなもの。慶喜の側近である平岡円四郎が書き起こし、橋本左内が加筆・修正した
そこに隣の部屋で飲んでいた慶喜が乱入してきた
吉之助たちの話を盗み聞きしていたのだ
慶喜は、「橋公行状記」に書かれていることはすべて父・斉昭の創作だとして、破って火鉢に放りこんでしまう
慶喜は志もなくどうしようもない自分がこの国を異国から守れるはずがないとして、あらためて将軍になるつもりはないと宣言する
しかし左内は、慶喜が異国の脅威を知っているからこそ逃げているのではないかと分析する
その慶喜が将軍になって、有力な諸侯が手を取りあえばこの国を強くできるのだと、左内は信じていた
焼かれてしまった「橋公行状記」は、左内が写しをいくつも用意していてあった
井伊直弼の策略
磯田屋を出て左内と別れた矢先、吉之助は面をつけた男を見かける
男は以前、磯田屋で左内を人質に取って小刀を振りかざした者だった
そして吉之助に、ひとりの男が近づいていく。井伊直弼の懐刀・長野主膳である
長野に連れられ彦根藩邸へと向かった吉之助は、井伊直弼と対面した
井伊は点てた茶を吉之助に差しだす
と、これまでの吉之助の動向を指摘した
逃げてばかりいる慶喜に将軍が務まるのかと聞いてきた
戦国の世より250年、この国を安泰に保ってきたのは徳川宗家であり、自分たちが守るべき国は徳川家そのものだという考えが、井伊にはあった
だからこそ、井伊は異国が迫っている時局にはなにも変えてはならず、世を乱してはならないのだという持論を述べる
さらに井伊は、吉之助に対して斉彬を裏切って内情を売るよう提案してきた
井伊は、慶福が将軍になれたあかつきには吉之助を家臣として取り立てるので、身内もすべて江戸に呼び寄せればいいと持ちかけてきた
井伊は、薩摩での暮らし向きの苦しい西郷家についても調べあげていたのだった
寝返りを迫る井伊の顔を見据えて、吉之助は
吉之助「こいは驚きもした。井伊掃部頭(かもんのかみ)さまともあろうお方が、こげな汚か脅しをかけっとでごわすか。こげな腐った連中に守られちょっ将軍家も、危なかでごわんどなあ」
それからほどなくして、斉彬から幕府に建白書が届けられた
そこには、かねてより斉彬が言い続けていたように、
異国との条約で言いなりにならぬこと
そのために国を強くすること
そしてこの難局を乗りきるために慶喜こそが次の将軍にふさわしいことが書かれていた
これを受けて、一橋派と南紀派の対立が深まり、老中首座の堀田正睦(ほったまさよし)はあいだに挟まれて苦悩する
斉彬の建白書は大奥にも波紋を呼んだ
家定の母・本寿院や乳母の歌橋は怒りをあらわにしていた
大奥では斉昭の嫌われぶりは凄まじかったのだ
家定と篤姫の縁組は、最初からこのような企みがあったのではないかと勘づいた本寿院たちは、篤姫のもとへ家定が渡ることを阻んだ
ところが、幾久しく篤姫との友好を誓った家定が、本寿院たちの隙をついて篤姫のもとへとやってきた
そんな家定に対し、篤姫はふたりの幾久しい友好のためにも、慶喜を家定の養子に迎えて次の将軍に据えることを提案した
しかし、慶喜を嫌う家定は、篤姫の提言を拒んで去ろうとした
篤姫はめげずに家定を引き留め、慶喜が将軍になればこの国を守ってくれるし、国の民も無事息災でいられ、家定も自分も健在でいられるのだと言い聞かせた
すると家定は、そこにやってきた本寿院たちに、次の将軍は慶喜だと宣言した
慶喜の決意
けれども、当の慶喜は吉之助たちがいくら説得を続けても首を縦に振らなかった
そんな矢先、磯田屋で慶喜が襲われるという事件が起きた
すんでのところで慶喜は刺客を交わし、やってきた吉之助たちにあとを託して外へと逃げだした
しかし慶喜は、刺客に袋小路へと追い詰められてしまう
吉之助は慶喜を救おうと無我夢中で刺客を短刀で刺した
男は絶命していた…
吉之助は、自分が人を殺めたことに気づくと、咆哮しはじめる
その一方で、慶喜は、死体の始末をつけるため、川に捨てなければならないと冷静さを見せた
慶喜を襲撃した刺客は、彦根藩の回し者として暗躍していた例のあの男だった
吉之助は川を流れていく死体に向かって両手を合わせた
あの男にも命をかけた主君がおり、帰りを待つ親兄弟もいるだろうと推しはかった吉之助は、ひとりの人間の命を奪った自分が恐ろしくなってた
そんな吉之助は、あの男の命も慶喜の命も尊さは同じだと語りだし、驚く慶喜と左内に書う
吉之助「じやっどん、あなたは国を変え、多くの民を救える。そいでも、まだ逃げるち言わるっとじやったら、あん男も浮かばれもはん」
この吉之助の言葉を聞いた慶喜は意を決し、吉之助と左内を連れ立って彦根藩邸へと向かう
慶喜が生きているとは思わなかった井伊直弼は、慶喜の突然の訪問に動揺しつつも、努めて冷静に慶喜に次の将軍職を断るのかと問いかた
そして井伊は、紀伊藩主の慶福が将軍となったあかつきには、慶喜に紀伊藩を渡すという約束を持ちかけた
すると慶喜は怒り、井伊から紀伊藩の譲渡を言われる筋合いはないと一蹴
慶喜「お前の言葉には、命がこもってない!ただ、今の幕府を守ればいい、それが忠義だ、それが政だと、くだらねえ思いこみをしてるだけだ。今のこの幕府で、この世の泰平が守られると本気で信じてるのか、この大馬鹿野郎!…わかった俺が将軍になろう」
こうして慶喜は、将軍につくことを承諾したのだった
しのぶの一言
今回は吉之助は一人で江戸で走り回ります。殿はいません。でも、今までよりも体も顔つきもたくましくなっているような気がしませんか?
そして、初めて人を殺めてしまう吉之助。正当防衛とはいえ、一人の人間の命の重さを思うと激しく動揺する姿が痛々しかったです
史実では西郷が慶喜に将軍になるように説得をしたりはしてないと思うのですが、このシーンは感動的でカッコよかったです
それに引き換え、井伊直弼の無表情の恐ろしいこと…
ここに来て、急に展開が早くなって来たような気がします
吉之助がどんどん大きな男になっていくのをしっかり見守りたいです!
◎見逃し番組を見る方法は ➡こちらから
◎LINEで友達追加していただくと更新情報などをお知らせします!