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第44話 2019年11月24日放送
ネタバレを含みます
まだ詳細を知りたくない方は読まない方がよいでしょう
裏組織委員会
組織委員会事務総長の職を追われた田畑の家に岩田たちがやってきた。
岩田は自分も渉外部長を辞めると告げた。田畑はあわてて引き止める。
田畑「岩ちんに走って欲しいんだ。俺が敷いたレールを」
岩田たちの帰りに妻の菊枝と田畑の二女・あつ子が声をかけてきた。
解任以来、田畑はすっかりふさぎ込んでいるという。
菊枝「時々来て、話し相手になってください。うちは毎週でも毎晩でも開放しますから」
それじゃあ、まるで裏組織委員会みたいだと笑った。
田畑の解任を受けて黒澤明が東京オリンピック記録映画の監督を辞任。
新事務総長には、歌人・与謝野晶子の次男で外交官の与謝野秀が就任した。
十月には、日紡貝塚女子バレーボール部が世界選手権で優勝し、世界中のメディアから東洋の魔女と呼ばれるようになった。
ところが大松監督が日紡貝塚女子バレーボール部は年内で引退すると宣言。
田畑は慌てて大阪に飛び、大松から事情を聞いた。
大松「なんや急にあの子らが不憫に思えてきましてな。青春を犠牲にして、いたずらに婚期を遅らせるのはどないやねんと」
オリンピックまであと2年、なんとか続けてほしいと田畑は頼み込んだが、大松は聞き入れなかった。
田畑家での裏組織委員会はその後も続き、グラフィックデザイナーの亀倉は新しいオリンピックのポスターを組織委員よりも先に田畑に見せに来た。
岩田はコンパニオンのオーディションを行った時、面接会場に老人男性が迷い込んできた話をした。
聞けば、コンパニオンではなく、聖火リレーの最終ランナーに立候補したいのだという。
その様子を聞いた田畑は、その人物が金栗四三であることを言い当てた。
金栗は日本地図を持参し、田畑に渡してほしいと岩田に託していた。
そこには、金栗が生涯をかけて走った場所を示す足型のはんこがびっしりと押されていた。
それを見て、田畑はひらめいた。
田畑「聖火もこれで行こう! 全国46都道府県、聖火をくまなく走らせるんだよ!」
だが、それでは何か月かかるか分からない。あつ子が口をはさんだ。
あつ子「火を分けたらどうかしら?」
裏の組織委員会で田畑らがまとめたアイデアを、岩田が表の組織委員会で発表した。
まず沖縄で聖火を4つに分ける。4つのコースで東京を目指した聖火は皇居前でひとつの聖火 とつにまとめられ、開会式当日、競技場までリレーで運ばれる。
総距離6,755キを総勢10万人が走るのだ。この計画は絶賛され、取り入れられることになった。
亀倉はオリンピックの招待状をデザインしたものを真っ先に裏組織委員会にもって見せてくれた。その出来栄えは素晴しいものだった。
その後、田畑は岩田に前回のローマ大会の参加国83を超えなくてはならないと語った。
田畑「どんな小さな国も無視するな。一人でもスポーツマンがいれば参加資格がある」
これを受けて岩田は世界105国に招待状を送り、IOCに加盟していないアフリカの国にも出向いて大会の趣旨を説明した。
大松監督、再び立つ
田畑は大松を説得すべく、再び大阪を訪れた。日紡貝塚体育館に現れた田畑は菊枝とあつ子を伴っていた。
田畑「もし娘が婚期を逃すほどバレーボールにのめり込んだら、父親としてどう感じるか知りたくて、俺の見ている前で連続スパイクを受けてくれと娘に頼んだら断られた。しょうがないから俺が受けることにした」
大松「わしは日曜やから、家族水入らず、うどんすき食うてました」
田畑を目がけてスパイクを打ちながら、大松は複雑な心中を語った。
引退発表後、大松のもとには5千通の手紙が届いた。そのうち6割には、決心どおり辞めるべきだ、あと2年も続けるならば人でなしだと書かれていた。
だが残りの4割にはオリンピックに出ろと書かれていた。金メダルをもたらす競技なのに国民の期待を裏切るとは非国民だというのだ。
大松「俺は人でなしか!非国民か!どっちや!」
騒ぎを聞いて選手たちも集まってきた。
大松「やるのは俺やない、選手や。魔女の名で呼ばれとるが、河西という魔女も、宮本という女もおらんのです。六人集まらんと力を発揮せんのです。」
大松がやると言えば、選手たちはあと二年、青春を犠牲にしてついてくるだろう。だから、ついて来いと言えないのだと。
大松「妻や娘に人間の生活をさせてない。これがあと2年も続いたら、家庭は崩壊や」
菊江「そんなことありませんよ! やるべきことを途中で投げ出した男が家に帰ってきても、うれしくありません!ねえ、奥さん」
勢いに押されて大松の妻も同意した。
選手たちも、自分たちは青春を犠牲になどしていないと語った。
河西「青春を犠牲にして、と言われるのが一番キライです!私たちは青春を犠牲になんかしていない。だってこれが私の青春だから。今が、バレーボールが青春だから!
部員たち「言ってくださいよ、俺についてこいって!」
河西はためらいながらも、言い切った。
大松「俺に……俺についてこい!」
こうして東洋の魔女たちのオリンピック出場が決まった。
大みそか、志ん生は自宅のテレビで紅白歌合戦を見ていた。フィナーレで三波春夫が「東京五輪音頭」を歌っていた。
美津子「あれ?今、五りんがいた」
なんと三波春夫の後ろで行方不明の五りんが踊っていたのだ。
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